MM9をiPhoneで読む

ドラマ：MM9

深夜＜怪獣＞ドラマ「MM9」、ガメラの樋口監督＆伊藤脚本ということで期待しながら見てみると、まぁ見事に予想を裏切る内容。当初、怪獣が全然出てこないのに唖然としたが、徐々に慣れてくるとこのゆるさがなんとも（笑）。飲み屋で部下が来るのをまつだけで一回なんて怪獣ドラマがかつてあっただろうか（笑）要はパトレイバーなわけで（部長が後藤隊長そっくり！）、パトレイバーOVAの時はわたしも若かったので怒りに打ち震えたが、いまは年輪を重ねたおかげで非常に楽しめる（笑）

で、その第9話でちらっと「大阪府吹田市に怪獣が出現」というくだりが出てきた。吹田市民としては、これは気になる…ということで原作小説を読んでみようという気になった。
探してみると、iPhoneの電子書籍が出ている。文庫版より安い600円ということで、購入。

MM9 エムエムナイン

本も非常に面白かったが（怪獣が出現したのは昔事務所を借りていた江坂で、作者もこのあたりにお住まいのようで、非常にリアリティを持って楽しめた）、 iPhoneで読むというのが、実際の本を読むよりも圧倒的に楽なのを改めて認識した。まず、文字を大きくできる。でもって、1画面内の文字数が少ない。 なので文章を目で追うのが非常に楽。次に荷物にならない。通勤時間に読むので、重い本だと鞄から出すのもおっくうになる。第三に知らない単語をすぐにネットで引ける。
特にSFという素材なので、電子デバイスで読んでいるという行為そのものがなんだか「その気」を倍増させてくれる。うん、SFはとても電子書籍と相性がいい。以前、青空文庫にある「URU」を読んでみたことがあるのだが、あれは戯曲なのでちょっと違和感があったが、現行SF小説はほんとに読みやすかった。創元や早川がガンガン既刊本出してくれば買っちゃうよなぁ。600円というのはちょっと高いかな？500円ワンコインだったらかなり 財布のヒモが軽くなりそう。現状、iPhoneの電子書籍はマンガと実用書ばかりだけど、SFだすべき、SF。SF好きとiPhoneユーザーの積はかなり大きいと思う。

不満、心配がないわけでもない。MM9はモリサワのMC Bookというシステムで作られている。まず検索ができない。とにかく名前を覚えるのが苦手なので、「こいつ誰？」という時に、パラパラと前のページをめくって確認、また元のページに戻る、ということができないのはちとイタイ。紙の書籍だと指を数本、ハサミながら読むようなことができて欲しい。せめて検索機能は付けて欲しいところ。

また独自フォーマット、アプリ形式というのはコワイ。なぜならiOSがいつまで存続し、将来的にいつまで現状のアプリが起動するかまったく保証がないから。実際、うちには自分自身が手がけたものを含め、現在では再生できないCD-ROMコンテンツ（MM Director製）がいくつもある。

レコードからCD、VHSからレーザー、DVDからブルーレイとメディアが変わって再販、買い直しができるコンテンツはまだいいが、再販されないコンテンツも多い。CD-ROMが流行ったころ、卒業アルバムをCD-ROMで作るというのがあったが、なんてバカなことをするんだろうと思ったものだ。

本来、本というのは「配布する」ことと「残す」という二つの機能がある。紙の書籍なら絶版本でも「図書館」「古書」というシステムで読む余地が残されている が、独自アプリケーション形式の電子書籍はそのシステムがない。結局そこが電子書籍が「信用できない」ということだと思う。EPUBがもっと進化普及してもらわないと。

あと、Appストアのブックカテゴリー。サブカテゴリー作って欲しい。マンガばっかりでうんざり。

あ、メビウスのアンカルがiPhoneアプリになってる…

そうそう、ドラマ版はいよいよ次回最終回ということで、ようやく？盛り上がってきました。