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アンチック体

4年生でマンガを制作している学生たちと、書体の話になった。マンガで一般的に使われるのは「アンチック体」といって、漢字がゴシック、仮名が明朝という特殊なもの。昔、絵本や児童向きの本でよく使われていたもの、と聞いていたのだが、帰ってから調べてみると歴史的な経緯があっておもしろい。デジタルの前は写植、その前は金属活字(一文字一文字が印鑑状態のものを組み合わせる)だったわけだが、仮名のゴシック体デザインが完成するまで、暫定的に行われた組み合わせがルーツとのこと。種類の多い漢字の方が書体を増やすのに手間がかかるように思えるが、微妙な曲線やバランスが難しい仮名の方が開発に手間取ったってことかな。
●亮月製作所・アンチック体●

まぁ、マンガはアンチックでなくてはいけない、というルールはないのだけど、ビジュアルとしてうまく使い分けると効果的。坂田靖子さんの豪華本ではすべて明朝で組み直されていて、上品な仕上がりだったし、谷川史子さんの本では通常はアンチック、回想シーンは明朝と実にうまい使い分けがなされていた。ぼくが昔朝日新聞などで描いた4コママンガやMACFANのイラストやマンガでは、すべてIllustratorで手書きで文字を書いていた。当然フォントを使った方がはやいんだけど、「新聞四コマは手書きでしょう!」という演出(新聞四コマが手書き文字なのは本来即時性の理由だと思う)と、当時、デジタル入稿はいろいろ問題があって、テキストのアウトライン化もできず、手書きの方が確実(笑)という裏事情もあった。編集が勝手にセリフを手直しするのを防ぐ意味でも有効ではあったなぁ。
マンガではないけど、リサとガスパールの絵本の本文が「じゃんけん」なのは、サイテーだと思う。

昔はATMでアンチック風に組み合わせを作ることができたのだけど、今はできなさそう。コミックスタジオにはアンチック体フォントが付属してくるのだけど、単体で学生が使えるようなものって何かないかな、と探してみたらフリーのものがありました。ちょっとクセがあるけど。
コミックW4-IPA


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